1962年に、東海道線東京口の混雑緩和のために導入された近郊型電車のパイオニアです。基本設計は1960年登場した401系に順次しましたが、運転台は初期から高運転台を
採用しています。2年後に113系にアップグレードされたため、111系の製造期間は短期間に終わり、静岡地区や瀬戸内地区で使われました。国鉄末期から廃車が始まりましたが、
予讃線の電化に伴う電車の増備に関して、静岡地区で余剰となった111系を購入し、2001年まで使われました。
113系は1964年に登場した出力アップ型(100kw→120kw)です。付随車は改良点がないので111系を名乗っています。
ここでは東日本地区に絞って説明します。1000番台は1972年の横須賀線東京駅地下化を目的に1969年から増備が開始されたグループです。
運輸省A-A基準の難燃構造のボディに、ATCを搭載した拡大運転室、ユニット窓、タイフォンの位置、冷房準備の屋根(のちに標準装備)
などが0番台との違いです。この車体構造は0番台や115系300番台にも継承されています。1979年にはシートピッチ拡大型の1500番台が増備されています。1990〜1994年の間
には荷物スペースを確保したサロ124型も連結されましたが、1999年にE217系に世代交代し、房総ローカル運用の他、一部が東海道線に転属使用されています。
一方東海道線には0番台の他、1978年にシートピッチ拡大型の2000番台、1987年から車掌室付きのサロ124型、トイレ付きのサロ125型が登場しています。
横須賀線で不要になったサロ124型は全て東海道線に転じていますが、ラインカラーが太いので見分けはすぐ付きます。しばらくはJR東海管内
との共通運用の関係で新型車両の導入は懸念されていましたが、2004年にE231が登場し、80系の代から続く長い湘南電車の歴史はまもなくピリオドを打ちます。
また、JR東海静岡運転所の4輌編成の113系が東京まで乗り入れています。こちらはシートモケットとピッチの改良による定員増加、グレー床下化などが
目立ちます。
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